メタンハイドレート
メタンを中心にして周囲を水分子が囲んだ形になっている物質
メタンハイドレートへ期待
石油や石炭に続く次世代の新しいエネルギーとして注目される
(NHKサイエンスZEROより)
海底のメタンハイドレート
大陸棚が海底へとつながる、海底斜面内、水深1,000から2,000メートル付近での、地下数百メートルに集中する、メタンガス層の上部境目に多量に存在するとされている。通常は、高圧下でありながら、凍った水分子の、篭状の結晶構造に封じ込められている。
石油資源に換わるエネルギー源として期待される一方、海中に湧き出したメタンが、大気中に出ることによって、地球温暖化の一因になっていると考えられている。大気中のメタンは、二酸化炭素の20倍もの温室効果があるとされている。メタンは大気中で12年程度で分解される。
地球温暖化との関係
メタンハイドレートは、海水温が2-3度上昇するだけで溶け出しメタンを大気中に放出する。 温暖化がすすむと海水温が上がり、メタンハイドレートが溶け出す。すると、さらに温暖化がすすみ海水温を上げ、さらに多くのメタンハイドレートが溶け出す悪循環をおこす。
2億5千万年前のP-T境界では、この現象が実際におこり、大量絶滅をより深刻なものにしたとされている。
P−T境界
約2億5千万年前の古生代と中生代の境目に相当する。古生物学上では史上最大級の大量絶滅が発生したことで知られている。
古生代最後のペルム紀と中生代最初の三畳紀の境目なので、両者の頭文字を取って「P-T境界」と命名された。
なお恐竜絶滅で有名な白亜紀と新生代第三紀の境目はK-T境界と呼ばれている。K−T境界は直径約10kmの巨大隕石がユカタン半島付近に落下したことが大量絶滅の原因として有力視されているが、P−T境界では地球内部を原因とする環境変化の要因が高いと考えられている。
P−T境界は、この交代の原因となった大量絶滅事件である。絶滅した生物種はK-T境界よりはるかに多かった。例えばペルム紀末に海中に住んでいた海棲無脊椎動物の種レベルでの絶滅率は96%と見積もられている。この中には三葉虫・古生代型サンゴ・フズリナなど古生代に幅広く棲息していた生物種が含まれる。その他脊椎動物・昆虫・植物などの陸上生物もたくさんの種類が絶滅した。総合的に見ると全生物の95%が絶滅した。
地球温暖化とP−T境界との関係(仮説)
超大陸の分裂に際し、非常に大規模な火山活動が中央シベリア〜西シベリアにかけて起こり、大量の二酸化炭素が放出され、温室効果により気温が上昇した。
気温が上昇した事により海水も上昇し、深海底のメタンハイドレートの融解・気化を引き起こし、さらに温室効果が増して、気温もさらに上昇し、さらに多くのメタンハイドレートが溶け出す悪循環がおこった。この変化に絶えられずに絶滅した。
地球ドラマチック(NHK教育で放送)では、メタンハイドレートを石炭や石油の後継エネルギーとして警鐘している科学者もいた。
はたして、メタンハイドレートは私達にとって未来のエネルギーなのか それとも現在生きている生物を滅亡させるモノなのだろうか。
ただ、今言える事は、このまま地球温暖化が進めば海底にあるメタンハイドレートが溶け出す事は避けられないのは間違いないと思う。
-------------------- 主にWikipediaを参考 ---------------
参考として
メタンハイドレート(東奥日報 2005年4月18日)
メタンハイドレートの資源開発研究について
メタンハイドレート資源開発研究コンソーシアム
メタンハイドレート研究ラボ