「フェーズ2」
動物のウイルスの人への感染を確認。世界的大流行の可能性が生じる。
「フェーズ3」
動物、および人と動物の両方に感染するウイルスの、限定的な人への感染を確認。ただし、一定の集団内での持続的な感染は認められない。
「フェーズ4」
動物、および人と動物の両方に感染するウイルスの、人から人への感染を確認。一定の集団内で持続的な感染が起きている。
「フェーズ5」
世界的大流行の危険が差し迫っていることを示す。同一のウイルスにより、1つの地域内の2カ国以上で一定の集団内で持続的な感染のまん延が起きる。この段階では、感染地域外のほとんどの国は影響を受けることはない。
「フェーズ6」
世界的大流行が進行していることを示す。「フェーズ5」の定義に加え、「フェーズ5」で対象となった地域以外の少なくとも1カ国で持続的な感染のまん延が起こっている。
また、フェーズごとに予想される金融市場の反応は以下の通りです。
「フェーズ2」
金融市場への影響は、ウイルスが流行している国の特定企業あるいはセクターに限定される。
「フェーズ3」
市場への影響は、数日で終わる短期的な動きに限定される。ただ、政府や主要予測機関が成長見通しを下方修正する場合は、金融資産の価値が下落する可能性がある。
世界の株式市場若干下落する。特に交通、旅行、娯楽、商品関連など、人やモノの流れの停滞にもっとも影響を受ける銘柄が売られる。
流動性が最も高い債券市場への資金流入は限定的で、利回りは若干低下。
「フェーズ4」
米ドル、円は資金の安全な避難先として買われる。キャリー取引の巻き戻しが進むなか、新興国通貨や豪ドル、ニュージーランドドルなど高利回り通貨は下落。
金価格は上昇。
世界の経済活動への影響をめぐる懸念が株式市場に幅広く広がる。カナダライフ(ロンドン)のファンドマネジャー、マーク・ボン氏は「フェーズ4」への引き上げによって株式市場が7%急落する可能性があると指摘。各国の相対的なパフォーマンスは、感染が確認された国に対するエクスポージャーと、ウイルスに対応する医薬品やワクチンの在庫によって決まる可能性があるとの見方を示した。
債券市場に避難する資金量が増加し、利回りが低下する可能性。投資家は短期債を選好するとみられる。カリヨン(ロンドン)の債券投資責任者、デービッド・キーブル氏は、WHOの警戒水準の引き上げによって、数日以内に10年物のドイツ国債と米国債の利回りが20─30ベーシスポイント低下する可能性があると予測した。
円とドルは上昇が続く見通し。特に高利回りの通貨に対して上昇するとみられる。金融セクターに新たな懸念材料が生じれば、バランスシートを強化するため、キャッシュを米国に戻す動きが広がる可能性がある。
「フェーズ5」
株式市場は急落、あるいは幅広い銘柄が下落。カナダライフのボン氏は、フェーズ5あるいは6への警戒水準の引き上げは各国株式を15─20%急落させる可能性があると指摘。
市場での取引も減少する可能性。特に豚インフルエンザの米国での感染がさらに拡大した場合、落ち込みは顕著になる。ただ銀行は他の場所でトレーディングを継続できる可能性がある。
キャッシュ需要が増加。
「フェーズ6」
市場の取引量は急減。特に感染地域で市場の流動性が不足。
株価は軒並み急落。
キャッシュへの逃避がより鮮明に。市場のリスクが上昇するなか、投資家は最も流動性の高い国債以外のすべての資産に対し、高いリスクプレミアムを求めるようになる。
※予想される金融市場の反応はロンドンロイターの予想です。
はたして金融市場はこの予想と一致するのでしょうか。注意深く観察する必要があります。