1.減らせ「フードマイレージ」
この耳慣れない言葉が目に止まりました。記事を読んでみると、遠くでとれたものより、近くでとれたものを食べようという考え方が示されています。食材を選ぶときの基準に、「味・値段・安全性」にもう一つ、「距離」という要素を加えることで、地球環境に配慮した食生活へ、私たちの意識改革をせまるものと言えそうです。
今回は、「フードマイレージ」の考え方を通して、「食と農」「食と環境」、さらには「食と水」「食と土地」というように、食べ物から地球環境を考えるトレーニングをしてみましょう。
2.学習のポイント
(1)フードマイレージの意味について
フードマイレージの直訳「食料輸送距離」からもわかるように、日本語のキーワードが3つ示されています。それに「二酸化炭素」や「環境」などの語句を加えてまとめてみましょう。
(2)フードマイレージの計算方法と単位
フードマイレージは、元々は英国の消費者運動に始まったとありますが、日本の「地産地消」という考え方に近いものを感じます。「食料の重さと距離を掛け合わせる」とありますから、計算式は食料輸入量(t)×輸送距離(km)になるわけです。単位はt・km(トン・キロメートル)です。2001年のデータでは、日本の食料輸入量は約5800万t、それに輸出国ごとの距離を掛け合わせた日本のフードマイレージは約9000億t・kmになるそうです。
(3)POCO(ポコ)の計算の仕方
日本のフードマイレージは約9000億t・kmであると言われてもちょっとピントきません。そこで、考え出されたのがPOCO(ポコ)。記事によると、「1ポコは二酸化炭素100グラムに相当する」とあります。記事にポコの計算の仕方が図示されていますが、下記のホームページには、70品目の食材について国産と輸入品のポコの差が示され、どのくらいの二酸化炭素の削減になるのかが一目でわかるようになっています。日頃食卓に上るものをいくつか選んで調べてみましょう。
(4)「各国のフードマイレージの比較」から
フードマイレージの計算方法と単位を統一することで、いろいろな国との比較ができるようになりました。グラフ「各国のフードマイレージの比較」からどのようなことが考えられるでしょう。「隠れた二酸化炭素の排出」問題、「食料の安全保障」問題、「トレーサビリティ」問題など一例として挙げておきますが、まだまだありそうです。
3.発展学習として
食料の生産には土地や水は欠かせません。ということは、食料の輸入は、その食料の生産に必要となった水を間接的に輸入しているとも考えられることから、日本は大量の水資源輸入国でもあるわけです。この水を「仮想水」(かそうすい)と呼びます。この「仮想水」をキーワードに、食料問題を考えてみましょう。
asahi.com より
フードマイレージ(t・km)=食料輸入量(t)×輸送距離(km)で算出されるようですが、CO2も考えるとこれに輸送のCO2係数が絡んでくると思います。
したがって、輸入食品はCO2の排出量も大きい事になり、『日本が環境に優しくない国』と言われても仕方がない気がする。
食の安全も踏まえて国内需給率をもっと高くする必要があるのではないでしょうか。